2023.02.01

原発問題~『ファクト』集を改訂いたしました

2020年12月に発刊いたしました「原発問題~『ファクト』集」について、昨年度に続き本年度につきましても最新のデータへの差し替えと、核燃料サイクルを中心により分かりやすく構成を見直した形にて改訂版を作成いたしました。

原発は2011年の福島第一原発事故で厳しい評価がなされ稼働率は激減しましたが、その高いエネルギー供給効率や安全保障の面でこのエネルギー価格高騰下において再評価が高まっています。2022年12月22日公表されたGX基本方針においては、原発を最大限活用することが示され、震災後のエネルギー政策の大転換として大きく報道されました。
一方で、原発利用開始の1963年から現在に至るまで発電に伴い排出され続けている高レベル放射性廃棄物の最終処分地は、未だ決定されていません。

原発活用については全国民を巻き込んだ議論が必要であるにも関わらず、国内においては賛成反対の二分論に陥りがちであり必要な議論が一向に進んでおりません。こうした状況を憂慮し、生団連は必要な議論を行う上ではファクトの把握が必要不可欠であると考え、本冊子を製作・公開しております。

今回の「原発問題~「ファクト」集」改訂において、補足・追記を行った項目は以下の通りです。
 1.国内原発の現状 … 原子力発電の運転期間、再稼働に至る審査・検査、廃炉措置、次世代原子力発電
 2.放射性廃棄物  … 我が国が目指す原子力政策、核燃料サイクルの現状、放射性廃棄物の処分
                 核燃料サイクルと高レベル放射性廃棄物問題の相関
 3.議論のポイント(使用済み核燃料の処理をどうするか)

生団連は現在の、そして未来の国民生活を守ることを第一に考え、原子力政策に対する賛否に関わらず、「全国民の課題であるバックエンド問題」について、国民的議論を喚起すべくリーダーシップをもって取り組んでまいります。

わが国において原発と向き合っていくための議論の一助として、より多くの方に本資料をご活用いただけましたら幸いです。