生団連|国民の生活・生命・平和を守る国民生活産業・消費者団体連合会

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生団連について

声明書・定款 等当団体についてご案内します。

会長メッセージ

名誉会長:清水 信次

このたび、清水前会長の後の大役を仰せつかりました。大変光栄であり、身の引き締まる思いでもあります。微力ではありますが、やるからには真剣に真面目にやりたい。皆様には力を合わせてこの国を良くしていきたいという思いの下にご協力いただければと思います。

いま世界を眺めると、ヨーロッパや、自由経済の旗手であったはずのアメリカにおいてさえも自由主義、自由経済の旗を降ろして孤立主義へと向かっており、私は非常に危機感を覚えています。今こそこの日本が世界の中で、しっかりと役割を果たしていかなければならない時ではないでしょうか。

流通産業ではイオン、ニトリ、ファーストリテイリング、良品計画、外食でも私どもゼンショーグループを含め、多くの企業が平和的に世界展開し、当地の人々に喜ばれています。今やミャンマーの山奥でも「味の素」の小袋が売られています。大変な努力で日本企業の商品・サービス、そして心というものが広がっているのです。
日本の厳しい消費者に鍛えられた流通業、最高の商品を作っているメーカーには文化と技術力、そして心があるからです。おもてなしの心であるとか、その背景にある「嘘をつかない」、「人様に後ろ指をさされるようなことをしない」といった小さい頃からの教育、そうして培われてきた良い文化がいま世界で怒涛のように広がっています。

手前味噌で恐縮ですが、ゼンショーホールディングスでは、現在18か国でフェアトレードを行っています。虐殺で100万人が亡くなったアフリカのルワンダとも7年ほど前からフェアトレードでコーヒー豆の取引をしており、貧しい山村で作られたコーヒーを、ゼンショーグループの店舗で販売しています。

駐日ルワンダ大使は日本の小学校中学校を視察した際、日本が戦後の焼け野原からいち早く復興できたのは「家庭科」という科目のおかげだと感じたそうです。小さい頃から「裁縫」や「お片づけ」を教わることが「躾」となり、物を作る大変さや苦労、細かいことをやる「きちんと精神」を学んでいるのだと。ルワンダの方々からするとこういうことは大変凄いことらしく、是非これを母国でもやりたいということで、フェアトレードの生産者の村の小学校に「家庭科」の教室を作りました。ルワンダではこれが全国に広がる可能性があります。「家庭科」を全国で教え、勤勉さや躾、何をやるべきか、何をやってはならないかという道徳の基本を、小さい頃からしつけようという動きになっています。

「家庭科」に象徴されるような生活の基本を背景に、日本人が世界で真面目に汗をかき、物を作って売り、真心を込めて接客をする。そしてそのバックグラウンドを相手国の皆様に身に付けてもらう。こういったことが日本の世界に対する大切な貢献のひとつではないかと私は考えます。子供たちに雑巾の縫い方を教えることが、世界の安定的発展につながるのだと私は思います。

私ども生団連は、消費者団体と生活産業メーカー、流通サービス産業、こういった団体や会社が、日本を良くしていこうという思いの下に集まったわけです。消費者団体の皆様も、全国各地でいろいろな試み、努力をされています。生産者も流通サービス業も日々様々な苦労をして国民生活の向上に寄与しています。いろいろな立場から問題を提起し、情報を共有し、議論し、そして発信していけるのがこの生団連です。

例えば昨今、「同一労働同一賃金」制度の導入が検討されています。しかし、特に流通サービス業ではこの「同一性」の認識が非常に難しく、画一的な制度導入では、私たち企業の事業活動が不自由になるのではないか、手を縛られるのではないかという危惧を抱いている経営者の方が非常に多くいらっしゃると思います。また、働き手側にしてもすべてが正社員化を望むわけではなく、限られた時間だけ勤務したいなど、多様な働き方を求めているのも事実です。ぜひともこういった企業の実態、現場の実情を踏まえた検討をお願いしたいものです。

自由な経済は自由な社会の基盤です。企業が力を付け、文化的な蓄積を重ね、そして生団連という、消費者とも本音のコミュニケーションができる場ができました。ぜひ政府も生団連という議論の場をご活用いただきたい。我々も自由な商売、自由な消費活動のため、政官に対して積極的に提言していきたいと思います。

政府は小さく、税金は安く、無駄なく良い行政サービスをやっていただきたいと私は願っています。「いくらでもお金をかけてよいサービス」などというものは民間企業では成り立ちません。無駄使いを止め、外交において先ほど申し上げたような相手国との本当の信頼関係の構築を目指すという、国家経営的な観点、経営者の目線も入れていただければと思います。

生団連は清水名誉会長の天才的な発想から生まれました。生産者と消費者団体が、そして流通業と消費者団体が同じ組織でやっていけるとは誰も思っていなかったことでしょう。これはアントレプレナーらしい清水名誉会長の思いと突破力の賜物です。

ファウンダー清水名誉会長の思いを子々孫々、百年も千年も伝え、人類の安定的な発展に寄与していく。そういう中で「世界に冠たる日本」ではなく、「世界に範たる日本」「尊敬される日本」にしていきましょう。

何卒よろしくお願い申し上げます。

以上

小川新会長就任挨拶(於 平成29年1月27日 臨時総会)