意外と簡単で、おいしい!いざというとき役立つ「鍋で炊くゴハン」

2017.01.06

南海トラフにおける連動型巨大地震も警戒されるなか、防災教育に力を注いでおられる大阪ガスさん。また、以前から社会貢献の取り組みとして、学校や地域での「食育」「火育(火に親しみ、火の扱いを学ぶ)」講習を行ってこられたそうです。ガス、水道、電気などのライフラインが止まったとき、生き抜く知恵とは何か?さっそくお話しを伺ってみましょう。

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  出典:大阪ガス株式会社

料理教室から食育、火育、防災教育へ

―食育や火育といった取り組みのルーツはどこにあるのでしょう?

料理教室を企業として行ったのは、実はガス会社が最初だと言われています。というのは約100年前の創業当時、事業の柱はガス燈だったのですが、直後にエジソンが電球を発明したため、会社は窮地に立たされました。活路を求めた先が暖房や調理で、ガス器具に慣れていない当時の人々への普及の意味で行ったのが料理教室だったそうです。そういう歴史があるために、食育も、火育も、違和感なく行っています。

―加えて、防災教育にも取り組まれるようになったのはどうしてですか?

火育などで学校現場を訪問する機会も多く、震災の教訓を学校教育に取り入れたいというニーズは肌で感じていました。ライフラインの一つを担う企業として、子どもたちに、そのとき自分を守る知恵を伝える責任があると考え、防災の啓蒙活動をされているNPO法人プラス・アーツさんの協力のもとで「考える防災教室」という冊子を作成しました。

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出典:大阪ガス株式会社

―どんな内容ですか?

「考える防災教室」は学校の授業に取り入れやすいように45分で学べる構成になっています。小学校高学年くらいを対象に、ライフラインが止まったとき、何を使って料理し、どうやって寒さをしのぐか。食器が全部割れてしまったら、どうやって食事をとればいいか。災害時に身を守る術を、生徒たちに考えてもらうことが狙いです。また、できるだけ温かいものを衛生的においしく食べることは、生きるうえでとても大切なことなので、冊子の後半には、災害時のクッキングレシピも取り上げています。

―災害時クッキングのポイントについてもお聞かせください。

鍋でゴハンを炊くコツは、ぜひ知っておいていただきたいことの一つです。カセットコンロと土鍋を使うと、余熱で調理できるため、炊飯時間も短く、およそ約30~40分(蒸らし時間含む)が目安です。詳しくはこちらをご覧ください。

いつものくらしに気軽に取入れられる「防災の練習」

―防災教育で難しさを感じるのはどんな点でしょう?

避難所生活ばかりが報道される影響もあるのですが、みなさん何かあったらすぐ避難所で暮らすと思いこんでいます。また、以前、未就学児を持つお母さんたち向けの講習会を行った際には、「災害が起きたその日から非常食!」と思っている方がほとんどでした。けれど、家屋が無事であれば、そこで過ごすことになるわけで、物資が届くまでの数日の食事をどうするかに意識を向けてもらうのは大変でした。

―確かに、そう思い込みがちかもしれません。

例えば、電気が止まっても冷蔵庫は保冷庫として活用できます。冷凍食品を、冷蔵室の上の段に移し、最初は庫内の日持ちしないものから食べて、次に解凍した冷凍食品を食べていく。それがなくなってはじめて保存しておいた非常食を使うようにすれば、あまり無理をせず食料を確保することができそうですよね。

―そう考えると一家4人でも、あらためて保存食を用意する負担が軽くなりそうです!

教室をやっていて良かったと思うのは、そういうふうに「なるほど!」と思ってもらえたときですね。

―鍋で炊くゴハンについてはいかがですか?

月に一度くらいは「災害時の練習」として冷蔵庫の中の残りものや缶詰クッキングをして、家族で鍋炊飯をするのも一つのアイデアです、とお話しています。炊飯器に比べ、お米が少量でもおいしく炊けるので、子どもが手を離れた二人暮らしのご夫婦などにもおススメですよ。

―そうすれば、鍋での炊飯もぐっと身近になりますね。

緊急時には、大人なら少々、冷たいものが続いても耐えられるんです。ただ、小さいお子さんやお年寄りには温かいものを食べさせたい。そのときのためにも鍋での炊飯を覚えていただいて、少しでも家族の心が和らげばいいなと思います。

―御社の防災教育には、阪神淡路大震災の教訓も生かされているのですか?

はい。あのとき、被害を受けた社員は少なくありません。ですが、講習会やクッキングスクールで接する方たちの中には、すでに当時のことを覚えていない世代も増えています。実際に被災したとき、生活はどうなるのか。物資はどこからどう届いて、お風呂にはいつごろ入れるのかなど、実態をお伝えして、なるべく安心して過ごせるようにすることも、当時を体験したものの責任だと思っています。

 

印象的だったのは、例えば「火育」のプログラムで古代の火おこしを体験する際、まずマッチで火をつけることから始めるそうですが、子どもたちはもちろん、お母さん世代でさえマッチを擦ったことがない人が増えているというお話でした。ひと昔前の暮らしの常識が、便利な生活の中で急速に変化しているようです。灯りとして、暖房として、お湯や料理をつくるエネルギーとして役立ってきた「火」のように、生活の基本をあらためて意識し、身につけておくことが、いざというときの防災・減災につながると実感しました。

 

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