注目のスポット「そなエリア東京」。家族で防災感覚を養う休日はいかが?

2017.05.22

そなエリア東京は2010年に有明にオープンした、無料防災体験学習施設です。日ごろから準備できる防災の知識や避難生活に役立つヒントなどが学べるほか、「東京直下72h TOUR」では地震発生から72時間の流れを体験できます。今回はそなエリア東京の概要とツアー体験レポートの2回に分けてたっぷりとご紹介します。まず、前編では管理センター長の丸山さまにこの施設の狙いについてお話をうかがいました。

そなエリア東京とは?

―さっそくですが、そなエリア東京はどのように誕生したのか教えてください。

きっかけは阪神淡路大震災の反省と教訓にあります。震災の被害を大きくした原因を見つめなおし、首都圏で巨大地震が起きたときの体制を整えるためにつくられたのが、この「東京臨海広域防災公園」です。

―そもそものはじまりは阪神淡路大震災だったのですね。

そうです。首都圏で巨大地震が起きたときには、この公園に緊急災害現地対策本部が設置され、広域的な指令機能を受け持つことになります。

―かなり広い公園だと思いました。

なぜこれだけ広い敷地があるかというと、ひとたび災害が起きたときには、ここに自衛隊、警察、消防などが集結して事態に対処するからなんです。ですが、これだけの広さの公園を普段、活用しないのはもったいないですよね。そこで、多くの人に防災の意識を高めていただくために、体験を通して学べる「そなエリア東京」が生まれたんです。

クイズに答えながら発災後の72時間を体験できる!

―体験型の学習ができるということですが、どんな工夫がされているのでしょう?

どうしても防災というと固く思われがちなので、地震によって被害を受けた街のなかを避難しながら、身を守る方法を学べる「東京直下72h TOUR」をご体験いただけます。2015年4月のリニューアルオープンからは、タブレット端末を使ってクイズに答えながらツアーができるようになり、液状化でマンホールが下から浮き上がってくる様子や、ビルのガラスが上から落ちてくる様子なども映像でごらんいただけます。

―おもにどんな人が、ツアーに参加していますか?

校外学習などの子どもたちが全国各地からやってきています。そのほかにも自治体や企業の研修など、さまざまな方にご利用いただき、昨年の来館者は約28万人を数えました。でも、開館した2010年は年間10万人弱だったんです。転機はやはり東日本大震災で、それ以降は25万人を超えるようになりました。災害への意識が高まっていることの証だと思います。

―大人と子どもとでは、ツアーの内容も違うのですか?

タブレットの問題は、一般コースと小学生コースを選択できるようになっています。基本の流れは一緒ですが、小さいお子さんと高齢者とでは気をつけるべきポイントが当然違いますので、案内時にもなるべくお客さまの目線に沿って案内するようにしています。

―こういう施設では地震の揺れを体験するものも多いようですが…

ポイントは自分で生きる力を養うことなんです。地震発生からその後の避難生活まで、日ごろからどんな備えが必要かを考える意味で、いままでにない防災施設だと思います。イベントで実施している「防災ビンゴ」というゲームでは、3×3=9つのマスの中に災害時に自分にとって必要なものを書いてもらうのですが、まず、9つを埋められない方が少なくありません。このゲームひとつをとっても災害時に自分に必要なものが何かを考えることや、必要なものは人それぞれ違うということがわかっていただけると思います。

子供には、まず大人が危険のない状況をつくる

―体験された方に期待することを教えてください。

少しでも防災に興味を持つきっかけになるといいなと思っています。時間がたつと意識はどうしても薄れていくので、ここにきて災害への備えの大切さを感じてもらえるとうれしいですね。そのために興味がわくようなイベントもほぼ毎月開催しているんですよ。

―たとえばどんなイベントがありますか?

団体向けには火災時に火を消すためのバケツリレー体験などがあります。1回目はうまくいかないことが多いのですが、水を入れすぎないことなどポイントをレクチャーして、もう一度チャレンジすると、とてもスムーズに運べるようになります。そのほか、モーニングヨガ教室やガーデニング講座など、直接防災とは関係のない催しも行っていますので、ぜひご参加ください。

―なるほど、親子連れで来ても、楽しみながら学べそうですね。

学校でも防災教育が重視されつつあるように、やはり小さいころから、意識の中に残るようにしたり、訓練したりすることはとても大事だと思います。

―子育て世代に特に見てほしいところはありますか?

家具が転倒している部屋、していない部屋の展示がありますが、阪神淡路大震災でも死因の7~8割が家具の下敷きによる圧死だったと言われています。自分の身を守るすべがない小さいお子さんには、大人が危険のない状況を作ることが大事だと感じてほしいですね。そもそも寝る部屋には家具を置かない、あるいは家具をしっかり固定するなどの対策を講じて、まずケガをしない、死なないことを心がけてください。

―では最後に、呼びかけの言葉をお願いします。

ボールやフリスビーなどの遊具も貸し出しているのでお気軽に足を運んでいただければと思います。夏休みには防災をテーマにした自由研究教室も開催しますので、ぜひご家族でお越しください。

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東京臨海広域防災公園 センター長 丸山 浩司 氏(右)

「そなエリア東京で体験したことを、家庭に戻って一つでもいいから行動に移してほしい。ヒントがたくさんあるので。」

東京臨海広域防災公園 副センター長 村井 智久 氏(左)

 

今の日本ならば、時間がたてば支援は来ると考えられますが、災害が発生してから最低限3日間(から7日間)は、自分と家族の身は自分で守らなければなりません。このそなエリア東京で、そのヒントを学び、防災グッズを見直すとか、携帯トイレを買って試してみるとか、一人ひとりがアクションを起こすことが、日本全体の防災力の底上げにつながるという丸山さんの言葉が印象的でした。

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