地震発生後72時間を生き延びるには?「東京直下72h TOUR」を体験レポート

2017.05.22

前編では、東京臨海広域防災公園の管理センター長である、丸山さんに、「そなエリア東京」の概要についてお話を伺いました。今回の後編では、「東京直下72h TOUR」に参加した様子をレポートします。「もし、首都圏で巨大地震が起きたら・・・?」。その状況をリアルに再現したジオラマのなか、クイズ形式で地震発生から72時間にどんなことが起きるか、どんなことに気をつけたらいいかを学びました。

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タブレット端末を渡されて、さあ、ツアーの開始です!

ツアーは、駅ビルの10Fフロアからスタートします。映画を見終えて帰る途中、エレベータの中で地震が発生するという状況設定。スタッフの方からタブレット端末の操作などの解説を受けたら出発です。「ここからはスタッフは同行しません」と言われて、さっそく緊張が高まります。

――エレベータに乗って、1Fのスイッチを押すと…

地震が発生し、エレベータは緊急停止!エレベータ内の灯りも消えて、外からは悲鳴のような声も。「関東地方に、大きな地震が起きました。余震の危険があります。落ち着いて行動してください」というアナウンスがとぎれとぎれに聞こえてきます。エレベータ内で地震が起きたらすべての階のボタンを押して、止まった階から脱出するのが基本です。

――エレベータを降りると、そこには倒壊した街並みが!

タブレット端末に誘導されて進むとクイズポイントがあり、画面に災害時の行動に関するクイズが表示されます。設定されたクイズに回答をしていきます。意外に難しい?!

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壊れたビルの下敷きになったクルマや、商品が散乱したコンビニの店内が、とてもリアルです。

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モニターには地震に関する報道が流れています。アナウンサーの緊迫した表情に気持ちが引き締まります。

――地震対策をしていた部屋と、していない部屋の様子は歴然

地震の対策をしていない部屋は、家具が飛び散って、めちゃくちゃになっています。あの中にいたら大ケガをしているかも…と思うと、家具を固定することの大事さにあらためて気づかされました。

――シネマステーションでは首都直下地震の再現CG映像2本を視聴

1本目は首都直下地震から12時間後までの様子を描いた映像でした。ヘリコプターから見る東京の街並みは、あちこちから火の手が上がっています。街にあふれる人々の不安そうな表情に胸が詰まります。2本目は振動台実験の様子です。耐震補強をしていない住宅が崩れる様子や、鉄筋コンクリートの建造物でさえ破壊される映像は衝撃的です。

被災した街を抜けると、避難所に到着

被災した街をクイズに答えながら脱出すると、避難場所を再現した展示ゾーンに到着しました。こちらでもタブレット端末のクイズにチャレンジして、災害後の防災・減災への理解を深めることができます。

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(左)レジ袋を利用した三角巾は、実際に作ってみることもできます。

(中)ペットボトルを集めて作った椅子は、想像以上に頑丈。空気が断熱材の代わりになるので暖かいです。

(右)様々な災害用トイレ・組み立て型トイレの展示や、携帯トイレの使い方なども説明されていました。

――ここからはスタッフの方の解説付きです

まず質問されたのは「避難場所」と「避難所」の違いは何か?でした。「避難場所」は、災害の危険から逃れ、状況が落ち着くまで一時身を守るオープンな場所であり、「避難所」は自宅が倒壊するなどして住むことが困難なときに生活する場のことです。展示スペースの床も避難場所ゾーンは砂をイメージしたグレーで、避難所のゾーンは体育館をイメージした木目調に色分けされています。

――なぜ72時間なのか?

72時間(3日)とは、人の生存率が急激に低下する時間と言われているため、それまでは被災者の支援より、人命救助が優先されます。つまり、自宅が無事で、ケガをしていない人は、その間、自力で乗り切る必要があるわけです。大事なのは水とトイレ。いつもきれいなトイレしか使っていない現代人にとって、避難所の必ずしも衛生的ではないトイレの状況はかなりのストレスになるそう。各家庭が何日分か携帯トイレを備えているだけでも、避難所の負荷は軽くなりますね。

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避難所の体育館が段ボールで仕切られている様子。プライバシーが保たれないことがよくわかります。

2階には地震の仕組みや、被災後の生活の知恵を学ぶコーナーも

――リニューアル後、追加された津波の様子を体感

続いて2階へ移動します。途中には、2015年のリニューアル時に加えられた、津波に関する展示があります。2016年11月22日に起きた福島県沖地震では仙台港で高さ1.4mの津波が観測されましたが、その高さを自分と比べるとかなりの脅威に感じます。

2階の展示では、首都圏でM7クラスの地震が起きたとき、被害の範囲などへの理解が進みます。また、実際に災害に直面したとき、どんな道具が役立つかを学べる展示もあります。

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災害時の本部になるオペレーションルームも窓越しに見学できます。

最後は屋上から湾岸エリアを見渡して、ツアー終了です!

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リアルな体験型のツアーのおかげで、巨大地震の怖さと防災の備えの大切さがあらためて身にしみました。タブレット端末のクイズは50問もあるので、何回でも新鮮な気持ちでチャレンジできます。英語版もあるので海外のお友だちが一緒でも大丈夫!とのこと。みなさんも、家族で過ごせる休日を利用して、いざという時に自分と家族を守る方法を考え、実践してみてはいかがでしょう。

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